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好き嫌いの治し方 [S家の物語シリーズ]

これはKちゃんのお父さんが中学生だった時のお話です。
Kちゃんのお父さんはまだ子供っぽいところがあって、好きじゃない食べ物がありました。そのひとつが「トマト」でした。
そのお父さんも、今はトマトが大好きで、丸かじりして食べています。Kちゃんのお父さんがトマトが好きになったのは、これから話すような事があったからでした。
中学生が5人で2,000円ずつのお小遣いを出し合って、10,000円もする「テント」を買いました。みんなで夏休みにキャンプをするためです。今のようにいろいろなところに設備の整ったキャンプ場があるわけではないので、お父さんたちは自転車にテントや懐中電灯、蚊取り線香や飲み物、食べ物などを積んで、近くの河原などに出かけてはテントを張って遊んでいました。
夕方に集まって、慣れた手つきでさっさとテントを立てて、カレーライスの時もあれば焼肉の時もあって、結構おいしく食べていました。
夜になっても、なかなか眠れないので、いつまでも話をして楽しい時を過ごしていました。
ある時、すっかり話し込んだ5人は、またまたおなかがすいてきました。でも、もう食べ物は残っていません。
「開いているお店を探して何か買ってこようよ。」と一人が言い出しました。
「そうだなぁ。このままじゃ、おなかがすいて寝られそうもないしなぁ。」
5人のうち2人はテントに残って、3人で食べ物を買いに行きました。5人の持っていたお金を全部足しても200円しかありませんでした。
3人は、かなり歩きましたが、開いているお店はありませんでした。でも、ちょっと向こうにお店らしい灯りが見えたので走っていきました。
そこは、八百屋さんでした。野菜や果物をおじさんが片付けて店じまいをしているところでした。
「おじさん、何かおなかいっぱいになる物ない ? 」一人がそうきくと、おじさんは「おまえらいくらお金持っているんだ ? 」とききましたので、元気に「200円 ! 」と答えました。「5人がおなかいっぱいになる物を探しているんだ。」と言うとおじさんは、「じゃ、それ一箱200円でいいから持ってけ。」と言いました。それが段ボール箱に24個ほど入っているトマトでした。
テントに持って帰ってみんなで丸かじりしたトマトは、今でも思い出せるくらいにおいしかったのです。そして、結構おなかいっぱいになったのでした。
Kちゃんのお父さんはおじさんに感謝しながら、ぐっすりと眠りました。
じゃ、おやすみ。


2012-08-29 08:42  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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